~かんたんチュートリアル~


Patchworkを使いこなしていただくための、基本となる操作方法をご理解いただくためのページです。



・Astra version1.0


 100個の「倍音」と呼ばれる音の成分の音量の大きさを調節することで、様々な音を作り出すソフトウェアです。

 このソフトウェアは、WAVを出力するのではなく、もう一つのソフトウェア"Wave chain editor"に音のデータを渡すためのファイルを出力するためのソフトウェアです。

 では、音の作り方から保存の仕方までを、実際にやってみます。ノコギリ波形などのプリミティブな波形の作り方については、取扱説明書のページをご覧ください。

 まず、ソフトウェアを起動し、画面中央下部の1から100までの数字が並んだ部分の縦棒を、右クリックでドラッグしてみてください。右からでも左からでも構いません。次々に縦棒が赤と青に変化していくと思います。ちなみに、左右の三角はアンドゥ・リドゥボタンです。100回まで、操作履歴を保存できます。



 数字は倍音の番号を表します。縦棒がモノクロの時は、その縦棒があらわす倍音が、音量調節の対象として選択されていないことを表します。逆に縦棒が赤または青(1倍音と5の倍数の倍音だけ、青になっています)のときは、その縦棒があらわす番号の倍音が音量調節の対象として選択されている状態にあることを表しています。選択・非選択状態の切り替えは、切り替えたい倍音番号の縦棒上で右クリックすることでもできます。



 次に、この倍音選択部分の上にある横線の部分を、左クリックでドラッグしてみてください。上下方向に動かしながらドラッグすると、長さの違う縦線が次々に現れます。上半分がプラス、下半分はマイナスです。この縦線は、倍音の音量を表します。一つずつ左クリックしていっても、縦線の長さを変えることができます。



 一例として、下のような状態になると思います。



 今度は逆に、左クリックで縦線群をドラッグしてみてください。



 次々に縦線が消えていくと思います。倍音の音量を、まとめてゼロにできます。

 最後に、倍音選択状態と波形合成の関係についてご説明いたします。下図をご覧ください。



 中央部分が非選択状態になっています。この状態では、倍音の音量を表す縦線のうち、グレイになっている縦線は編集対象外となっているので、縦線を編集するためにマウスドラッグしても、赤いアクティブな縦線しか、編集することはできません。ただし、波形合成では、きちんとグレイ部分の倍音も加えて波形が合成されます。つまり、単に編集の選択外になっているだけで、合成の対象にはなっている状態です。


 では、作成した波形を保存・ロードしてみます。波形が表示されている黒い部分で右クリックすると、ダイアログが表示されます。"Save"を選択すると、編集作業の状態(倍音の選択状態と音量の各値)をデータとして保存できます。ここでは、作成したデータを、"new_wave.awsf"というファイル名で保存します(※OSはWINDOWS 10を例にしています)。必ず、拡張子までファイル名に指定してください。



 データのロードも、これと同じです。ダイアログで"Load"を選択し、読み込みたいawsfファイルを読み込むだけです。



・Wave chain editor


 Astra version1.0で作成した波形データを受け取り、加工を施して演奏用のWAVファイルを出力するためのソフトウェアです。

 Astraで作成した波形を最大八個まで読み込み、ループを作成してWAV出力します。ループの始まりは緑の小さな四角、ループの終わりは青の小さな四角で表されます。

 まず、波形データを読み込みます。ここでは、wavesディレクトリにあるsaw wave.awsfを二つ、読み込みます。

 左から二つ目と三つ目の白い球の上、画面上部の横線上で右クリックすると、ファイルダイアログが表示されますので、wavesディレクトリのsaw wave.awsfをそれぞれの球の上部で読み込みます。

 さらに、波形が表示されたら、右側の波形の下の、球と一体化している上下線の上下位置の真ん中あたりと、半透明の黒い帯状の部分の上下方向真ん中あたりを左クリックすることで、波長と振幅(音量)を調節できます。

 この二つの波形でループさせるために、波形の名前が表示されている領域で、左クリックするとループの始まりの位置が、右クリックするとループの終わりの位置が指定できますので、小さい緑の四角と小さい青の四角の位置を、これら二つの波形の始めと終わりに変えてください。

 以上の操作を完了すると、下図のようになると思います。



 これで、波形を発振させる準備ができました。あとは、画面下部の大きな文字・数字群の値を設定して、計算すればサンプラーに読み込ませるWAVデータが出来上がります。

 Rootは作成する波形の音程で、MIDI音符番号で指定し、Detuneは3以上の発振数の時の音程のずれ(単位はセント、半音の百分の一)、OSC(s)は発振数、Lengthは時間長さ(単位は秒)、Harmonics vibrationは倍音ごとに位相をずらして音量を振動させるモデュレーションの強さを設定します。それぞれ数字や文字を左クリックして値を設定します。

 ここでは、Rootとして48(C3)、デチューンに6、発振数(OSC(s))として3、Lengthとして10、Harmonics vibrationとして5を設定します(下図)。

 

 設定ができたら、Computeボタンを左クリックしてください。Computing...と表示されている間は、計算中ですのでそのまま静かにお待ちください。この表示が消えたら、スペースキーの押下で試聴できます(下のサンプル)。また、Computeボタン上で右クリックすると保存用ファイルダイアログが表示されるので、"付けたい波形名.wav"と、拡張子まで必ず書いて保存してください。あとは、サンプラーで読み込み、鳴らしてみてください。

↓出来上がりのサンプル(次のUniversal filterの説明で使用します。必要な方は、データをお使いのコンピュータ上のお好きな場所に保存してください。)




・Universal filter


 いわゆる「デジタルフィルタ」です。移動平均という計算を用いて、音に含まれる倍音の成分を消していきます。どんな波形でも、それに含まれる倍音を消すことができる万能フィルタです。

 まず、アプリケーションを起動してください。

 スペクトログラム(画面上部の上下二列の領域)の見方から説明します。

 スペクトログラムとは、音に含まれる周波数成分を視覚化したものです(下図中上下二列の領域)。左右方向が時間軸、上下方向が周波数軸になります。"Play"アイコンを左クリックすると、音が再生されます。この音の再生方向が時間軸です。

 周波数軸は、音に含まれる成分を低周波(>0.0Hz)から高周波(<約8500Hz)にかけて分解表示します。黒→赤→オレンジ→黄色→白の順に、倍音の音量が大きくなるように表示されます。




 スペクトログラム上で左クリックすると、その位置の周波数が画面最上段に表示されます(下図)。Mはモノラル、Lはステレオ左、Rはステレオ右を表します。




 また、スペクトログラム上で右クリックすると、その位置での時間位置が表示されます(下図)。スペクトログラムの右端から少しずれた地点をクリックすると、そのデータの長さが表示されます。



 それでは、6個あるフィルタのうち、Low-pass filter(cut off)から、一つずつ練習していただきます。

 まず、保存した先の音データを、"Load"アイコンを左クリックして読み込んでください。読み込んだら、画面下部のコントロール領域で、左半分の領域にある4個の数値を左クリックしてダイアログを起動し、次のようにデータを設定してください。

 From:0(何もしなくてもかまいません)

 to:1.5

 1.0(Hz)(何もしなくてもかまいません)

 5000(Hz)

 このデータの意味は、「時間座標のゼロ秒から1.5秒までの間で、1.0Hzから5000.0Hzにカットオフ周波数を直線的に時間変化させて倍音をカットする」です。

 設定できたら、コントロール領域で右クリックし、起動したダイアログ上で"OK"をクリックして処理を実行してみてください。下図のようになったら成功です。



 このままでは途中までなので、1.5秒から先も、カットします。次のように、値を打ち込んでみてください。

 From:1.5

 to:10(データの時間長よりも大きな値を入れると、自動的にデータの時間長が設定されます)

 5000(Hz)

 5000(Hz)(そのまま何もしなくて構いません)


 打ち込んだら、コントロール領域で右クリック→ダイアログのOKボタンを左クリックして処理を実行してください。下図のようになるはずです。



 "Save"アイコンをクリックして保存する(必ず拡張子".wav"まで打ち込んでください)か、"Play"アイコンを左クリックして再生するか、いずれかの方法で音をご確認ください。

 ↓こんな音になります。



 以下同様です。

 画面下部、コントロール領域の右側の三角を左クリックしてください。コントロール領域の背景が切り替わり、High-pass filterに機能が切り替わります。

 再度、先のノコギリ波形で作ったサンプル波形の初期データを読み込み、好きなようにデータを打ち込んで倍音をカットしてみてください。一例として、下図のようにカットできます。


 それでは、右側の三角を左クリックして、機能をBand-pass filterに切り替えてください。

 Band-pass filterとBand-eliminate-pass filterは、周波数指定が上と下の二段になります。上は、それより大きな周波数をカットまたは残す指示、下は、それより小さな周波数をカットまたは残す指示となります。

 Band-pass filterからカット例を示します。再度、先の初期状態の波形データを読み込み、下図のように値を打ち込んでカットしてみてください。



 数値の意味は、「切り捨てる周波数の範囲を、上は2000Hzから5000Hzにかけて、下は1000Hzから1.0Hzにかけて、ゼロ秒から5秒までの間でカットする」です。

 ↓こんな音になります。


 

 Band-eliminate-pass filterも同様です。単にカットの対象が上下で逆になるだけなので、カット例を図示するにとどめます。処理すると、中が抜け落ちるようにカットされます。



 ↓こんな音になります。

 次の二つは、これまでの周波数カットオフ型と異なり、周波数依存型です。Low-pass filterでは高周波ほど大きくカットされ、High-pass-filterでは低周波ほど大きくカットされます。カットする強さはゼロから40まで指定できますが、適当なところはゼロから2程度です。ゼロがカットしない状態で、値が大きくなるほど深くカットします。

 注意していただきたいのは、この二つは特に、カットした部分のつながりがナーバスで、ゼロ秒から波形の最後まで、カットしない部分でも「カットしない」処理をしないと、波形がつながらずブツッというノイズが入ることがあるという点です(※偶然きれいにつながることもあります)。

 では、コントロール領域右側の三角を左クリックして、機能をLow-pass filter(numerical sequence)に切り替えてください。また、再度先に作成した初期波形を読み込んでください。

 カットオフ型のLow-pass filterの時と同じように、下記のように数値を入力して処理を実行してください。

 1)From:0.0、to:2.0、2~0に値を設定します。
 2)コントロール領域で右クリック→処理を実行します。
 3)From:2.0、to:10.0、0~0に値を設定します。
 4)コントロール領域で右クリック→処理を実行します。

 下図のようになったら成功です。



↓こんな音になります。

 次に、High-pass filter(numerical sequence)についてご説明します。

 基本的にはLow-pass filter(numerical sequence)と同じです。ゼロがカットしない状態、ゼロより大きな値がカットの深さを表します。

 では、コントロール領域右側の三角を左クリックして、機能をHigh-pass filter(numerical sequence)に切り替えてください。また、再度先に作成した初期波形を読み込んでください。

 Low-pass filter(numerical sequence)の時と同じように、下記のように数値を入力して処理を実行してください。

 1)From:0.0、to:2.0、2~0に値を設定します。
 2)コントロール領域で右クリック→処理を実行します。
 3)From:2.0、to:10.0、0~0に値を設定します。
 4)コントロール領域で右クリック→処理を実行します。

 下図のようになったら成功です。

↓こんな音になります。



 最後に、LFOの使い方について説明します。LFOは、各機能共通です。

 LFOを使うには、コントロール領域の"ON"アイコンを左クリックして機能をアクティブにします。

 次に、使いたいLFO波形を左クリックして選択します。周波数も、左クリック→ダイアログで値を入力して指定します。0.01~100Hzの間で指定できます。

 モードをLFOにすると、周波数範囲の指定値は、LFOの振幅に解釈されます。たとえば、2000Hz-1000Hzで値を指定すると、2000Hz→1000Hz→2000Hz・・・というように、2000Hzを起点として2000Hzと1000Hzの間でフィルタが振動します。

 例として、Band-eliminate-pass filter(cut off)で波形にLFOをかけてみます。最初に作成した初期波形を再度読み込み、下図のように値を設定してみてください。



↓こんな音になります。



・Wave distiller




 特殊な積分計算で任意波形から指定した周波数の倍音成分を取り出す、独自のフィルタです。取り出した倍音を任意の音程の任意倍音に変化させることにより、それらを足し合わせて新しい波形を合成できます。主に、楽器音などの天然音から倍音を取り出し、新しい音を合成するのに使います。


 スペクトログラムについてはUniversal filterの項を参照してください。


 最初に、アプリケーションを起動してください。起動直後、初期状態では、ホワイトノイズがセットされます。ここでは、このホワイトノイズから倍音を取り出してみます。


 画面上部が元波形のスペクトログラム、画面下部が取り出した倍音波形の表示領域となります。


 ではまず、スペクトログラムの好きな位置を左クリックしてください。波形を読み込んで倍音を取り出す場合は、ここで右クリックして元となる波形を読み込みます。


 ダイアログが起動しますので、取り出したい倍音の周波数がわかっているときはその値をダイアログに入力し、そうでない場合は、そのまま"OK"ボタンをクリックしてください。周波数を指定する方が高い精度で倍音を取り出せます。余談ですが、A4の音は440Hzなので、最も計算がしやすいです。ここでは、そのまま"OK"ボタンをクリックしてください。


 画面下部の領域に波形が表示されますので、ctrl+spaceで音を確認してください。低音だと水中のような音がします。spaceキー単独では、元の波形が再生されます。



 次に、画面下部の波形表示領域で、波形が存在する青い部分を左クリックしてください。ダイアログが起動します。このダイアログでは、取り出した倍音を異なる周波数に変更します。音程はMIDI音符番号で指定し、倍音番号は数値で指定します。必ずしも整数倍音にする必要はなく、実数を指定すれば非整数倍音に変化させることも可能です。


 初期値では、音程が69(A4)、1.0倍音になっています。データの形式は、

 MIDI音符番号(整数)+","+倍音番号(整数または小数)

です。


 最後に、処理した倍音を保存します。倍音の波形が表示されている領域で、右クリックしてください。ファイルダイアログが起動しますので、”付けたい名前+.wav”と、拡張子まで含めてファイル名を指定し、保存してください。



 チュートリアルは以上です。使い方をご理解いただけたでしょうか。

 より高度な全体の操作方法は、各ソフトウェアの取り扱い説明書のページに説明がありますので、そちらをご覧ください。